砥部焼
2019/09/10

食卓を優しく華やかに
愛媛・砥部焼・中田窯の平皿

毎日の食卓に欠かせない器。産地や窯元、作家にこだわりはありませんが、最近はどこか素朴な雰囲気のものを好んでいます。
この砥部焼「中田窯」の平皿もそのひとつ。藍色の柄の印象が強い砥部焼ですが、この椿柄、なんとも華やかで愛らしい。地味〜な料理を盛ったとしても、食卓を優しく華やかな雰囲気にしてくれます。

大きさも、サラダやメイン料理と使い勝手が良いサイズ。柄物ですが、主張しすぎず他のお皿との相性も良い。そして丈夫で、気兼ねなく日常使いが出来るので、かなりヘビロテで使っています。

砥部焼 中田窯の平皿
我が家の使用例

砥部焼(とべやき)とは

愛媛県砥部町を中心に作られる陶磁器、砥部焼。愛媛県指定の無形文化財となっています。
やや厚手で、あたたかみのある白磁に手描き図案が特徴の焼き物です。

同じ白磁の磁器で有名どころといえば、皆さんご存知「有田焼」。
歴史も古く、日本のみならず海外でも人気。

有田焼(ありたやき)とは、佐賀県有田町を中心に焼かれる磁器のことです。
17世紀初頭、朝鮮人陶工・李参平らによって泉山で陶石が発見され、日本で初めて磁器が焼かれました。当時は、その積み出しが伊万里港からなされていたので、「伊万里(いまり)」とも呼ばれます。

「香蘭社」サイトより引用
有田焼

軽くて丈夫。ツルツルと滑らかで、透明感のある白磁は繊細な柄が映えます。美しい絵付けが印象的で、品のある佇まい。手の込んだ絵柄のお皿はビックリするお値段のものも。憧れ…。

一方砥部焼は、同じ白磁でも少し土っぽく、どっしりとした重みがあります。頑丈で実用的。
それ故に、民芸運動の活動家たちにも評価されていました。
(民芸運動といえば、柳宗悦です。あの柳宗理の父です。すごい親子です。民芸運動について詳しく知りたい方は「日本民藝協会」などを読んでみてください。)

場所柄ご近所だからでしょうか、讃岐うどんの器によく使われているとか。
確かにうどんが映える。素敵です。

余談ですが民芸に興味を持っている方にオススメの一冊。世界中の美しい工藝品が紹介されています。ワクワクします。
「少年民藝館」外村吉之介

砥部焼の窯元のひとつ、中田窯

私はこの平皿に出会うまで「中田窯」を知りませんでしたが、愛好家の多い窯のようです。納得。

中田窯は、独特のあたたかみが増している器を作ります。それは、中田窯の特徴でもある鉄粉にあります。白磁は、一般に真っ白であればあるほど良しとされていましたが、この鉄粉を取り除く作業というのは大変時間を必要とします。中田窯では、この鉄粉をあえて残すことで、砥部焼の中でもさらに独特の雰囲気の器を生み出しました。鉄粉は、焼成時に酸化し、焼き上がりには黒く小さな点々になって出てきます。それがまた、味わい深く、素朴であたたかな砥部焼の魅力をより高めています。

「ZUTTO」サイトより引用

なるほど鉄粉をあえて残すことで、あの優しい素朴な味わいとなる…。
この引用元のECサイト「ZUTTO」、とても細かく解説がされていて参考になります。

私は渋谷ヒカリエにある「D&DEPARTMENT」で購入。他の形やデザインのものも並んでいるので、お近くの方は是非足を運んでみてください。
こちらのネットショップでも販売されているのかと思いきや、店舗限定のようです。恐らく小さい窯ですから供給が難しいのかな。

先ほどご紹介した「ZUTTO」に同じ平皿がありました。
中田窯の商品を扱っている砥部焼専門ショップもあります。

素朴でありながら、モダンなデザインの器を作り出している中田窯。
この椿柄の平皿だけでなく、素敵な器が沢山あります。
愛媛県伊予郡砥部町…一度訪れてみたい。

砥部焼「中田窯」情報

  • 〒791-2205 愛媛県伊予郡砥部町総津159-2
  • 089-969-2077
MADOKA(Bugs Design)
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このサイトの運営担当。普段はグラフィックデザインやイラストのお仕事、アパレル企画のお手伝いをしています。
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