2023/06/08

水の弾かなくなった傘を復活
『モンベル』PFCフリー 撥水スプレー

TEXT & PHOTO / MADOKA

今年も憂鬱な梅雨の季節がやって参りました。
レイングッズの活躍する機会が増えるにつれ、愛用の傘やレインコートが、だんだん水を弾かなくなってきた…という経験ありませんか。
我が家の愛用している『モンベル』折り畳み傘も、1年、2年と使い続けると撥水(はっすい)効果が弱まってきます。

そんな時、以前は革製品などオールマイティーに使えるという「防水スプレー」なるものを吹きかけて、騙し騙し使ってきたのですが、イマイチ思ったような効果を発揮したことがありませんでした。(防水スプレーと撥水スプレー、厳密には違うようですが、長くなるのでここでは省きます。)

そこで、餅は餅屋、『モンベル』で布製品専用の「O.D.メンテナンス はっ水スプレー」を購入。
これが気軽にスプレー出来て、効果も抜群。満足です。傘や布リュックなどに気軽にスプレーしたい時に使用しています。

写真はスプレーを吹きかけた直後。いい具合に弾いてます。
使用頻度にもよりますが、半年~1年で、そろそろまたスプレーしようかな~という感じです。

O.D.メンテナンス はっ水スプレー 330mL ¥1,320(税込)2023年6月現在

大事なコートなどはムラが気になるのでクリーニングへ。ゴアテックスだったり撥水加工がされているアウトドアウェアなどは洗ってつけ込むタイプのものもおすすめです。こちらはまたの機会に。

PFCフリーとは

さて、布製品に抜群な効果を発揮してくれるこのスプレーは「PFCフリー」と記載されています。主な成分はシリコーン樹脂。「PFC」と呼ばれるフッ素化合物を使用していません。

アウトドアウェアに欠かせない撥水加工。世界中のアウトドアメーカーは、撥水素材の研究開発を常に行ってきたわけですが、今までは「PFC」と呼ばれるフッ素化合物を使った撥水製品が主流でした。
ところが近年、どうやらそれに含まれる一部の物質「C8」が環境や人体へ悪影響が及ぼす可能性があると問題視されるようになりました。
そのため、アウトドアメーカー各社はその「PFCフリー」の代用品を見つけるために急ピッチで開発している最中。

※「C8」はPFCに含まれるカーボン(炭素)の数。数が少ないほど環境負荷が減少するとされ、今後は「C6」へと移行して行くブランドが多いとされるが、そもそもフッ素化合物であることに変わりないので、フッ素撥水剤に頼らない加工が望まれています。

環境問題に敏感な『パタゴニア』はもちろん、この『モンベル』も独自の製品を開発していますが、「PFC」を使用した撥水性に及ばないのが現状のようです。
アウトドアウェアの撥水性は時に命にも直結することもあり得ますので、欠かせない加工です。しかしアウトドアを楽しむための環境が汚染されるとなれば本末転倒。メンテナンスをマメに行うことで撥水性を維持し、環境に配慮していく。『モンベル』などは、そう呼びかけています。

撥水・防水スプレーには「フッ素系」と「シリコン系」がある

以前は撥水・防水スプレーといえば、どこにでも売っているようなオールマイティに使えるタイプのものを使用していました。意識していませんでしたが、フッ素系です。「PFCフリー」問題は近年注目され始めた課題なので、その製品が悪いというわけではありません。ただ、今後は変わってくるのかもしれません。

ネットで検索すると、「シリコン系は通気性がなく、傘やレインコート向け」「フッ素系の防水スプレーは通気性があり、衣類やダウンジャケット、革製品向け」とあります。
「シリコン系を革製品に使用すると、シミになる」とまであるので、どうやら革製品には向かないようです。
今回紹介した「O.D.メンテナンス はっ水スプレー」も、革製品には使えません。

さて、革靴に使う撥水スプレーは今後はどうなるのでしょうと思いきや、『モンベル』には、既にありました。
「PFCフリー」の革靴用撥水スプレー「O.D.メンテナンス レザーコンディショナー」
どこがどう違うのか…気になるので近々購入してみたいと思います。

今後、撥水加工がされた製品には「PFCフリー」と記された製品が多く目に留まることになりそうです。

参考サイト
PFCフリーってなに? 変化の時を迎えた、シェル素材の撥水加工。
パタゴニア / PFCフリー
モンベル / 環境に配慮したはっ水成分への切り替え

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TEXT:MADOKA
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