2024/05/26

オールド・エルメスのシャツ、
古着とヴィンテージ

TEXT & PHOTO / MADOKA

ここ数年、古着マーケットが復活し盛り上がっています。
安価なだけならファストファッションで良いのでしょうが、その反動でしょうか。1点1点違う顔をしたアイテムに惹かれる人が増えているようです。
RecycleとReuse。時代に合った流れだと思いますし、今は作られていないような凝ったデザインや生地など、貴重で魅力的なアイテムの数々…ハマる人が多いのも納得です。

我が家も以前は売る方が多かったのですが、最近はたまに購入もするように。とはいっても、熱心に探しているわけではないので、たまたま出会った時だけ。
そのうちの一つが、この「エルメス」のボタンダウンシャツです。

エルメスシャツ

1990~2000年代のものらしいです。
残念ながら私には似合わないのですが、夫にぴったりのシルエットとサイズ。

まず気に入ったのは綺麗な配色。
そしてこの生地。写真では伝えにくいですが、肉感がありつつ、ぬめりがあって … 流石エルメス、本当に美しい素材です。
とにかく仕立てが良い。ミシン目も細かく、丁寧。剣ボロの始末も綺麗。
胸ポケットの、完璧な柄合わせ。写真ではポケットがあるのが見え難いほどです。

肌触り最高
袖口
剣ボロの裏も美しい
裾、脇も丁寧な仕事
よく見てください、胸ポケットあります。笑

新品で探すと本当に見かけない生地のシャツ。
今はこういう、一見すると派手なようで品の良い色味と柄。無いんですよね…
こんな贅沢な生地を作れたら最高ですが。

ちなみに価格の相場は分からないのですが、お買い得と感じる価格でした(2万円台)。状態も良く、サイズもピッタリ。古着の良いところが全て詰まったような逸品。見るたびにウットリしています。
ボロボロになるまで、大切に着ていきたいシャツです。

古着とヴィンテージ

ちなみに古着とヴィンテージ。聞きかじりで申し訳ないのですが、違うらしいです。
一般的にヴィンテージとは、「20~30年以上前に作られた高品質で価値のあるもののこと」だとか。
ちなみにアンティークは100年以上前のもの、なんていう見解もあるようですが、実際にはヴィンテージとアンティークの定義も曖昧な感じのようです。

古着とヴィンテージは、価値があるかどうかで呼び分けている人が多いようです。
年代物のジーンズはボロボロでも高価なものがある一方、昨年発売されたジーンズで、特にレアでもなく定価より下がっているようなものは古着。こんな感じでしょうか?
そうすると、このエルメスのシャツは「古着」枠になるのでしょうか。調べていないので分かりませんが、当時の販売価格より低いですし、そこまで古くない。ヴィンテージと呼ぶには相応しくないのでしょうか。
しかし現行では販売されていないし、他にない商品だと思うので、ヴィンテージと呼んでいいようにも思いつつ … 確かに「ヴィンテージ」とは、60年代などの時計やアクセサリーなんかに相応しいイメージもする…。
(どっちでも良いじゃん、と言われると返す知識は持ち合わせていません、すみません)

で、価値があるけどヴィンテージとも言えないような、でも単なる古着と呼ぶには勿体ないようなこのシャツは、どうするか。
すると「オールド・エルメス」なんていう素敵な響の言葉を発見しました。
日本語で「古いエルメス」なんて呼ぶと味気ないですが、カタカナで「オールド・エルメス」。とてもしっくりくる。笑。
単なる言葉遊びのようですが、なるほど、うまい言い方だなと感心したので、私もそう呼ぶようにしています。

細かいこと言うなよな気持ちもある一方、そういう細かいこだわりも興味があったりします。
今までヴィンテージショップにはあまりご縁がなかったので、お話を聞いてみたいです。

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TEXT:MADOKA
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