リゾルト ねじれ
2019/11/06

ジーンズがねじれる!ゆがむ!
はじめての『RESOLUTE(リゾルト)』

TEXT & PHOTO / MADOKA

有名ブランドのジーンズを買ったのに、脇の縫い目が前にねじれてきた!くるっと回る!
ジーンズ愛好家など詳しい方を除いては「不良品⁈」と驚く方も多いのでは。

私も以前、経験があります。
当時はジーンズを畳んで収納していたので、畳む時に歪んでいることに気付きました。洗って整えても戻らない。
それどころか、洗えば洗うほど縫い目が前にねじれてきて、なんだか自分の脚が歪んで見えるよう…これはジーンズ選びに失敗したと思い、穿くのをやめてしまいました。

でもその「ねじれ」。ほぼ不良品ではないでしょう。
簡単に言えばデニム生地の特性であり「ジーンズってそういうもの」。ジーンズ本来の自然な姿です。

リゾルト ねじれ
脇の縫い目が前にねじれています

ねじれるジーンズ、ねじれないジーンズ

度々紹介させていただいている国産ジーンズ『RESOLUTE(リゾルト)』も、ねじれます。グイグイねじれます。

ねじれる理由について『RESOLUTE』デザイナーの林氏曰く

ジーンズの生地は「綾織り」いうて、縦糸と緯糸が交錯するとこがふくらんで点みたいになって、その点が連なって斜めに線のように入るんよ。その線のことを「綾目」ていうんや。

リゾルト公式ブログより引用

ジーンズ生地をアップしてみると、「綾目」が走っているのが分かります。
白い点々が線のようになっています。

『RESOLUTE』はこの線が左から右へ上がっているので右綾。なので左から右へねじれていきます。(左から右へ上がっている左綾の生地を使用しているブランドもあります。)

決して「ねじれ」は不良品ではありません。

しかし「ねじれ」がジーンズの特性とはいえ、「ねじれ」が気にならないジーンズも多く存在しています。安価なジーンズではそもそも織り方が違う場合もありますし、同じ「綾織り」でも、ねじれを防ぐための加工(スキュー加工)を施してある場合も多いです。

年々技術は発達し、現代では「ねじれ」の生じにくいジーンズが主流と言えるかもしれません。

ジーンズ「ねじれ」の魅力

では何故、ねじれを防ぐための高度な加工技術が開発されているのに、その加工を施さないジーンズがあるのか。
理由を一言で表すと「味」だと思っています。

古来から続く伝統の技術を使った建築物、フィルムで撮った写真…。工芸品・建築・音楽・写真・絵画など、クリエイティブの世界で古くからの製法や技術に味わい深い魅力を感じ、重きを置くことが頻繁に見られます。ジーンズも同じように「昔ながら」の技術やヴィンテージの「味」に多くの人が魅了されているわけです。
特に日本にヴィンテージファンが多いのは「侘び寂び」の精神にも通じるものがあるから⁈というのは大袈裟でしょうか。

『RESOLUTE』をはじめ多くのブランドが旧式の機械でデニム生地を織り続け、ねじれ防止加工も施していないのは、ヴィンテージの味わい、風合いを大切にしているからと言えます。

旧式の織機で織られた「セルビッジデニム」についてはこちらの記事へ↓
resolute

穿き古したヴィンテージの味わいを表現されたユーズド加工を施してあるジーンズをよく見かけますが、色落ちだけでなく、わざわざ「ねじれ」を再現してあるジーンズもあるほどです。「ねじれ」は味わいを表現するのに重要なポイントである証です。

ねじれるジーンズと、ねじれないジーンズ。好みの問題なので、どちらが正解かはありません。
個人的(ジーンズ好き女・しかしヴィンテージマニアではない)には、スキニータイプやモードな雰囲気のジーンズは、綺麗に見せたいのでねじれが出にくい方が嬉しい。でもストレートタイプやオーバーサイズでラフに穿くようなジーンズは、ねじれていた方がカジュアルな雰囲気やデニムの風合いが強調されて好き。そんな感じです。

ねじれ防止加工を施してあったとしても、綿の特性などを考えると「全くねじれない」とは思いませんが… ねじれの程度は大きく異なります。
加工の有無はブランドや商品により様々なので、購入時に販売店で確認してみるのがオススメです。

『RESOLUTE』712のサンフォライズド加工

参考までに、『RESOLUTE』4型の内、712タイプについて少し触れます。

先ほども記しましたが、『RESOLUTE』のジーンズはねじれます。
旧式の機械で織った、綾織のデニム生地(セルビッジデニム)を使用し、ねじれ防止加工も施していないからです。
※セルビッジについてはまたの機会に書こうと思います。

ですが『RESOLUTE』4型で唯一「サンフォライズド加工」という、縮み防止加工を施している型があります。それが「712」です。

先ほど紹介したねじれ防止加工が、スキュー加工。
「712」に施してある縮み防止加工 が、 サンフォライズド加工。
(スキュー加工とサンフォライズド加工、両方を施すと、かなりねじれが少なくなります)

サンフォライズド加工が施されている「712」は、毛羽が少なめです。

ジッパーフライの仕様である「712」。
ボタンフライと違い、ジッパーは生地が縮むと噛み合わなくなるので、生地の縮みを防ぐ加工を施してあります。それにより他の型と比べると多少ねじれにくくなっています。
あくまでジッパーが正常に機能するための縮み防止加工なので、ねじれないという訳ではありません。

RESOLUTE(リゾルト)712
ジッパーフライ仕様。股上がやや浅く、膝から下がテーパードされています。

色落ち同様、個体差のある「ねじれ」。是非それぞれの「ねじれ」を楽しんで穿き込んでください!

MADOKA(Bugs Design)
川竹 円 / Designer
このサイトの運営担当。普段はグラフィックデザインやイラストのお仕事、アパレル企画のお手伝いをしています。
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