vol.10_ デニムを再生するということ
連載 もののこと ことのこと
PHOTO / MADOKA
これからのモノづくり
久しぶりの更新となってしまったコラム「もののこと、ことのこと」。
今回のテーマはデニムの再生についてです。
先日、ある付属メーカーの方と「これからのモノづくり」について話す機会がありました。
そこで話題に上がったのが、デニムの再生というテーマです。
服の回収や資源化は、もはや特別な取り組みではなく当たり前にしていかなければならない課題です。「環境配慮」や「サステナブル」という言葉自体は定着しているとは感じますが … 実際の現場は想像している以上に厳しい。話を聞きながら、理想と現実の距離をあらためて感じました。
ジーンズを支えてきた付属という存在
レプリカジーンズ(※1)に欠かせないもの。それは、無骨なボタンやリベットです。
耐久性を高め、経年変化の表情を豊かにし、デニムという服の世界観を長年つくってきた重要な要素。ジーンズの「かっこよさ」は、こうした付属の存在抜きには語れません。

しかし再生の現場では、その付属が大きな壁になります。
ボタンにはスクリュー式など、比較的外しやすい構造のものもあるらしいのですが、少ない。そしてリベットには現時点で現実的な脱着構造が存在しません。
ある繊維商社では、回収したデニムを再生する際、ボタンやリベットが集中する股上部分を切り落とし、脚の部分のみを再生原料として使っているそうです。
デニムの美学と再生は、まだ同じ方向を向けていない。そんな印象を受けました。
(※1)レプリカジーンズとは、1950~60年代のアメリカ製ヴィンテージジーンズ(リーバイスなど)の生地の質感、縫製、細部のディテールまでを日本の職人たちが忠実に再現・復刻した、「本物さながらの風合いと品質」を持つジーンズのこと。

そして、余剰になったデニム用ボタンやリベットの行き先。付属メーカーでは、それらを専門業者に委託し、真鍮とアルミに分けて資源化しているそうです。
ただ、その作業を担える業者は、日本にわずか3社のみなのだとか。膨大な手間と時間がかかり、正直なところ、ビジネスとしては決して割に合うものではない。
それでも、商品を作り続けている限り、作り手としての責任感があるように思います。「作る責任」は、着られなくなった後まで続くーーー。
終わり方まで含めてデザインする
洋服は、いつか必ず捨てられます。
であれば、捨てられた後のことまで含めてデザインするべきではないか。長く着ることと、終わらせやすいこと。その両方を最初から内包したモノづくりが、これからは求められていくはずです。
古き良き時代のかっこよさを大切にしながらも、現代の課題から目を背けない。
その両立は簡単ではありませんが、作り手として、真剣に向き合っていきたいと考えています。
また、いち消費者としても、心に留めておきたい事柄です。













