セルビッジデニムとは
はじめての『RESOLUTE(リゾルト)』
TEXT & PHOTO / MADOKA
ジーンズに興味を持ち始めると、必ず耳にする「セルビッジ」または「セルビッチ」という言葉。
または知らない間に穿いているということもあるかもしれません。
私も以前は特に意識せず、ジーンズの裾を折り返した時に見た目が可愛いという理由だけで、セルビッジデニムを穿いていました。
ネットで調べれば沢山出てきますが、こちらのブログでも一応紹介します。
※ジーンズ初心者向きの内容です。
「セルビッジ」または「セルビッチ」、どちらも同じ意味で、英語で「Selvage」と表記します。耳で聞いた感じでしょうか「セルビッチ」が広まっていたような気がするのですが(あくまで私の記憶です)、最近は「セルビッジ」や「セルヴィッジ」と表記しているブランドが増えてきました。
このブログでは「セルビッジ」とします。

さて、「セルビッジデニム」とは何なのか。
簡単に言うと、「力織機」と呼ばれる昔ながらの旧式の織機で織られたデニム生地のことです。
↑上記の記事でも紹介しましたが、旧式の力織機で織ったデニム生地は丈夫で味わい深く、特に色落ちをしていく過程の風合いが多くの人を魅了し続けています。

熟練の職人さんが、織るスピードやテンションを調整しながら織り上げていくセルビッジデニム。
糸の太さ、毛羽、ザラザラとした凹凸 … ブランドや型ごとに、生地の風合いが異なります。シルエットの違いだけでなく、生地の違いも比べてみてください。丁寧に作られていることがわかると、きっと楽しいです。笑
そんな魅力がたっぷりの力織機で織られたセルビッジデニムですが、1日に一反程度しか織ることが出来ません。なのでどうしても単価が上がってしまうのが難点ですが … それでも多くのブランドや愛好家の方々に愛され続けています。
セルビッジデニムの見分け方
自分の持っているジーンズがセルビッジデニムかどうか、ジーンズの裾をめくると容易に判断することが出来ます。
我が家に一本だけ、大量生産向けに最新の機械で織られたジーンズがあったので比較してみます。
↓ブルージーンズがセルビッジです。

シルビッジデニムには「耳」と呼ばれるほつれ止めが施されています。白い部分に黄色い糸の縫い目がある部分がそれです。
「鶴の恩返し」で使われていたような、いわゆる「織機」をイメージしていただけると分かるのですが、シャトルが左右に行ったり来たりして織ることで「耳」の端が出来ます。これが大きな特徴です。
ヴィンテージリーバイスの多くがこの「耳」部分に赤い糸を使用していたことから、セルビッジデニムのことを「赤耳」と言われたりします。今は赤に限らず様々な色が使われています。
一方、写真のブリーチされたホワイトジーンズは最新の大量生産向け織機で作られたデニム。切りっぱなしで、ほつれ止めの「耳」がありません。
ほつれないようロックミシンでかがり縫いが施されています。

トレンド感満載の形が可愛く、リーズナブルだったので思わず買ったジーンズ。生地も薄くて穿きやすく、一時期ヘビロテで愛用していましたが、やはり劣化が早いです。バリバリにブリーチ加工してあるせいもありますが、エイジングの風合いを楽しむようなものではありません。
しかし値段も安価ですし、トレンド感を短期間楽しむのには向いているとは言えます。
以上が見分け方です。

ここでは「セルビッジデニムというジーンズがあるよ、同じように見えるジーンズでも値段の差には理由があるよ、値段の差は風合いにでるよ」ということを知っていただけばと思います。
セルビッジデニムでなくとも、気に入って購入したジーンズが一番。それに良し悪しはありませんが、せっかくなら知った上で選ぶと良いお買い物ができるのではないでしょうか。
そして!せっかくセルビッジデニムを選んだのなら、ひとつだけ気をつけて欲しいことが。「裾上げをするのならチェーンステッチで」これに尽きます。こちらも追って記事にしたいと思います。
最後に。こだわりのセルビッジデニムの『リゾルト』、是非手に取ってみてください。笑





川竹 円 / Designer
このサイトの運営担当。普段はグラフィックデザインやイラストのお仕事、アパレル企画のお手伝いをしています。