Gorsch ゴーシュ / the merry coachman
Herringbone Two Tack Trousers
TEXT / SUU
PHOTO / MADOKA
この秋から取り扱いをスタートする『Gorsch / ゴーシュ』。
デザイナー鈴木詠一氏の服への細やかなこだわりから生まれるプロダクト。
鈴木氏は外交官からファッションの世界へ飛び込み、ドイツのテーラードが得意なブランド『フランク・リーダー(FRANK LEDER)』で経験を積むなど、異色の経歴をもつデザイナーです。
幅広く見地を広げてきた鈴木氏が想う世界観を纏うことによって、『Gorsch』の服は深く、静かに佇んでいます。
『Gorsch』のコレクションは毎シーズン彼の身近な人々をモチーフに作られており、2024AW のテーマは”葡萄農夫”。葡萄農家である彼の友人夫婦をイメージし『Gorsch』の世界が構築されています。

今回のコレクションから当店で扱うのは、ウールヘリンボーンツイードのトラウザー。
まずこの生地に一目惚れしました。そして着用した時の格好良さ…!

ワイドなシルエットに2本のタックをとり内側に倒すことで、ウールツイードを使いながらもフォーマルなすっきりとした印象。鈴木氏がブランドを始める前、ベルリンでの修行中に作った形を今でも継続しているそう。
太めのストレートシルエットですが着用すると、ウエストよりも低い位置で縫い止めたタックで腰回りのダボ付きが無く綺麗なシルエットです。

またこのパンツに使われているウールヘリンボーンツイード、色の組み合わせがとても美しい。
今回セレクトした色は「OXIDE RED」と呼ばれる、ぱっと見は赤みのあるブラウンですが、ボルドーレッドやグリーン、マスタードなど様々な色が組み合わされていて、とても奥行きと深みのあるテクスチャーなのです。

厚めのウールが一見すると粗野な印象ですが、美しいシルエットと色柄が、とても上品に見せてくれます。
鈴木氏の持つ細やかでマニアックなディテール表現を、ビンテージライクな素材に落とし込まれたこの「OXIDE RED」のウールヘリンボーンツイードのトラウザー。
素朴なんだけど新しい、『Gorsch』の詩的な世界を感じられる1本です。
秋冬のコーディネートの主役になること、間違い無しです。

(¥55,000 税込)
Gorsch の新ライン the merrycoachman
ちなみに、「the merrycoachman」とはブランドの新ラインの名前。
ブランド設立時は、デザイン・型紙作成・仕立てに至るまで全工程をデザイナー自身で行う「Gorsch the seamster」としてスタート。ファンが増えていった現在は、信用のおける工場が縫製を担う新ライン「Gorsch the merrycoachman」がメインとなっています。
ビンテージライクな素材感と、細やかでマニアックなディテール。芯のあるモノづくりが特徴です。
