2024/11/22

端革をアップサイクルする
『Offcuts(オフカッツ)』のピラミッドポーチ

TEXT / SUU
PHOTO / MADOKA

京王井の頭線 永福町駅と西永福駅の間に『FYSKY LEATHER WORKS』という革製品の制作をおこなうアトリエがあります。
今シーズンから、『Soliloquy』でナローレザーベルトを、Jb shopで別注のポーチを作っていただくこととなりました。

レンガの壁が目印

このアトリエとの出会いは、妻がよく行く近所のスーパーへ向かっていると看板が目に入ったから。
以前この場所はギターの修理工房だったかなぁ…。と思いWebで調べると、なかなか興味深いアトリエでした。
吉祥寺にある『FYSKY(フィスキー)』という、革靴をオーダーで製作しているアトリエが主体(このFYSKYの井出さんのお話は長くなりますので次回させていただきます)。
この永福町店では、職人さんが革製品の制作をしたり、鞄や靴の修理も行っています。

端革を再利用したブランド『Offcuts(オフカッツ)』

その『FYSKY』で革靴を作る際、どうしても出てしまう端革。それらを再利用し、プロダクト化したブランドがあります。
ブランド名は、革靴を作った革の切れ端だから『Offcuts(オフカッツ)』。洒落ています。
アップサイクルの取り組みやブランドの思いが、我々の運営するブランド『Soliloquy』に通じることもあり、連絡を取ってからのお付き合いです。

端革から作られた品々。永福町のアトリエで購入も可能です。
Offcuts Websiteより

『Offcuts』には、素敵なレザーバッグやベルトの革小物が展開されています。
端革とは言いますが、靴に使われる良質な革。そして確かな技術を持った、職人さんによる手仕事。
愛着を持って使っていきたい品々です。

『Offcuts』の製品は、主に永福町のアトリエで制作されています。

所狭しと並ぶ、道具の数々。道具マニアにはたまらない空間⁉︎

アトリエの職人さんは3人。元々同じ職場で働いていた3人が自然と集まって始まったというアトリエは、なんともマイペースな空気が流れています。
今回メインでお話しを聞かせてもらったのは、新岡さん。2匹の保護猫ちゃんと戯れるのが至高の時間だそうです。
他に田中さん、橋本さんと共にこのアトリエの物作りを担っています。

左から橋本さん、新岡さん、田中さん

手のひらサイズのピラミッド型ポーチ

今回Jb shopでは、『Offcuts』さんでリリースしている「ピラミッド ポーチ」を別注いたしました!
『Offcuts』オリジナルのポーチより、サイズを若干大きく、素材やファスナーの色をJb shopのセレクトで作成していただきました。

素材違いのブラックと、シルバー

『Offcuts』オリジナルのピラミッドポーチは高さ約9cmの三角形の立体で、てっぺんから革紐が出ているキュートなデザイン。なんとも可愛らしく、初めてアトリエに伺った際に購入し、バッグに付けて使っていました。
鍵やワイヤレスイヤホンなどの迷子になりやすい小物を入れるのにちょうど良いサイズ。アクセサリーのようで、実用性も備わっています。

ただこのポーチ、鍵やフリスクを入れるには丁度いいのですが、私が長年愛用しているBOSEのワイヤレスイヤフォンのケースが微妙に入りづらい…(AirPodsならOK)。
移動中、毎日使っているこのアイテムがポーチに入ったら、バッグの中で迷子にならず便利なはず…。
という訳でちょこっと大きく、高さ10cmの別注サイズでの製作を依頼。これでイヤフォンケースがバッチリ収まりました。(妻は愛用のNARSの口紅が収まって嬉しそうです。)
素材とファスナーの色も選ばせていただきました。

迷子になりがちな小物を入れるのにピッタリ
鍵やリップクリームなど色々と活躍します。
NARSの口紅は細長いのですが、入りました。笑
[ Offcuts by FYSKY ] Leather Pyramid Pouch
(¥8,800 税込)

ファスナーの周りしか縫い目が見えないのでどうやって縫っているのか気になって教えてもらうと、すべて裏で縫い上げて最後にてっぺんから出し、革紐の部分でまとめているらしい。
そして表に返した時に縫い合わせが尖らず、フワッと丸みを出すための革選びと縫代を漉く(スク:縫い合わせの部分などの厚みを削って調節する)技術を駆使し、この雰囲気を作っている…。
細やかな仕事をさらっと商品に落としこんでいます。流石です。

作業風景。
縫い合わせ部分の厚みが削られているのが分かります

ちなみにこのポーチのデザインコンセプトは?と聞くと「よくあるヤツです」とのことです。笑。
多くの人に愛されている、王道のシルエットということですね。
しかし『Offcuts』のポーチは手に取ると、丁寧に作られているのが感じ取れます。3人のお人柄が伝わってくるようです。

『Offcuts』のこれから

今後の『Offcuts』についてお聞きすると「オリジナルの商品を充実させ、『Offcuts』というブランドを広げてゆければ」と、はにかみながら話してくれました。
せっかくの上質な革を捨てるのは忍びない。喜んでもらえる品を提案していきたいとのこと。
3人の作るアイテム、楽しみです。

そしてこの『Offcuts』は、近々ブランドリニューアルを迎えます。
『Offcuts』は、日々発生していた端革をプロダクト化する、というコンセプトで始まったものでした。
リニューアル後は、その取組みはもちろん、さらにより幅広い商品ラインナップのブランドを目指し、「日本におけるものづくりの文化を絶やさずに紡いでいく」という想いを持ち新たなブランド名を掲げて「日本のものづくりを続けていくための挑戦」が始まります。リニューアル後も目が離せません。
※販売中のピラミッドポーチの内側には新しいブランド名のロゴが印字されています。

『FYSKY LEATHER WORKS』のような、イメージする革小物を丁寧に作ってもらえるアトリエはなかなかありません。
『Offcuts』の商品を選ぶだけでなく、職人さんにオーダーメイドで作ってもらうなんていう贅沢な希望も叶えてくれます。また、大事に使っている革製品の修理もしてくれます。
ご近所に良いアトリエが出来て嬉しい限り。普段使うバックをお願いしたいなぁ。とデザインイメージを膨らませて楽しんでいますので、いつかリリースするかも知れません。笑。

次回は革靴ブランドの『FYSKY』のお話。そして『Soliloquy』コラボレーションでお願いしたベルトのご紹介をしていきたいと思います。
お楽しみに。

ブランド情報

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TEXT:SUU
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